群馬大学理工学府 物質・環境類 化学システム工学プログラム
中川研究室
(1)触媒の意義(2)よい触媒とは(3)触媒反応の機構(4)触媒反応の分類(5)均一系触媒(6)不均一系触媒:金属触媒(7)他の不均一系触媒(8)担持触媒の調製法(9)触媒の使い方

中川教授の触媒学講座 (4):触媒反応の分類

触媒反応の分類:均一系と不均一系

触媒および触媒反応は大きく均一系と不均一系の2つに分類されます。 均一系は同一相中に反応物と触媒が存在している状況での反応およびその反応に使われる触媒で、不均一系は「反応物と触媒が異なる相を形成している反応」およびその反応に使われる触媒、というのが定義です。 実態としては、均一系の同一相というのは液体であり、触媒はその液体に溶解している状態になります。 触媒と一部の反応物が溶液、別の反応物が気体という場合も、気体が溶液に溶け込んで反応が進行するため同一相内の反応と見なし、均一系として扱います。 不均一系は固体触媒を用いていて気相あるいは液相に反応物が存在している状態です。

真っ先にこの分類を行う理由は、均一系と不均一系では、触媒の構造、速度式、劣化の機構といった多くの要素についてこの2つで大きく異なるためです。 なお、実用的には、触媒の反応系からの分離と連続的な反応への展開が容易な不均一系の方が有利で、均一系と不均一系のどちらも適用できる反応では不均一系が優先して用いられます。 活性(反応速度)の面では、気相の不均一系触媒反応は溶媒沸点の制約がないため、高温で実施することで反応速度を大きくできます。 同一温度で比較した場合、均一系の方が一般的には高活性となります。

均一系と不均一系の特殊な相

均一系触媒は通常液相中の反応です。 では気相での均一系というのはあるでしょうか?  塩素含有フロンによるオゾンホールの形成はこの例に当てはまります。 フロンが分解して放出される塩素が触媒となり、オゾン (O3) が酸素 (O2) に分解します。 気体の触媒というのは非常に扱いにくい(閉じ込めにくい)ですから、実用触媒では例はありません。

不均一系では、反応物が固体で触媒が溶液、という組み合わせはどうでしょうか?  この相の組み合わせは、セルロースの酸触媒による分解など、実際あります。 しかし、化学的に均一系の類似反応との共通要素が多いので、この場合は均一系として扱うことが多いです。 それでは、反応物が固体で触媒も固体、というのはどうでしょうか?  これはあってよいのですが、異なる種類の固体同士を原子レベルで接触させて反応させる、というのが非常に難しく、例はほとんどありません。

(1)触媒の意義(2)よい触媒とは(3)触媒反応の機構(4)触媒反応の分類(5)均一系触媒(6)不均一系触媒:金属触媒(7)他の不均一系触媒(8)担持触媒の調製法(9)触媒の使い方